にせもの

公演ごとに新たな客演を迎え、そのたびに異なる魅力を見せてくれる地球ゴージャス。今回は今、人気急上昇中の三浦春馬の出演で、さらに新鮮なステージが期待される。これが初舞台となる19歳の三浦と、彼を温かく見守る岸谷五朗と寺脇康文に、本作について聞いた。

様々な出会いに背中を押された感じ

●まず3人の役どころを教えてください。

岸谷　戦乱の時代が舞台で、僕はある戦いに巻き込まれた日本人の1人を演じます。寺脇くんはその戦いに加わっている架空の民族のリーダーなんですが、みんなを引っ張……れないタイプの男の役ですね（笑）。

寺脇　さすが当て書きですね（笑）。

岸谷　そして春馬は、戦いに敗れて記憶を失くした青年という役どころです。

●三浦さんを迎えたことで、作品づくりに影響などはありましたか？

岸谷　今、台本を書いているところなんですが、出演が決まった時点でもう当て書きになっていますから、すでに“この役は三浦春馬以外考えられない”ということで書いています。春馬は、まだ磨かれていない石だと思うんですよ。でもその石は、磨かれる前から自分でもう光っちゃってる。だからこちらもさらに鍛えたいという気持ちになれるんです。

寺脇　停電になっても分かるくらい光っちゃってるもんね。

岸谷　暗くても、“そこに春馬がいる！”って分かるぐらいにね。

↑↑這兩句也太好笑,我看是春馬出油太嚴重(喂!)

●（笑）。そんな三浦さんは、出演が決まっていかがでしたか？

三浦　僕は14歳の時に初めて観た舞台が、地球ゴージャスの『クラウディア』だったんです。何も分からない状態で観たんですけど、歌って踊って芝居して……という舞台がすごく面白くて、1部と2部の間の休憩時間も早く終われって思うくらい、夢中になってしまって……。もう観終わる前から「この舞台に出られたらいいな」という気持ちになるくらいだったので、その夢が叶ってとてもうれしいです。

寺脇　初めて春馬に会った時、すぐに「すごい子だな」と感じましたね。あと、「中身が40歳かってくらいすごく落ち着いているな……」と。どんな生活をしてきたんだろうと、興味を持ちました。

三浦　実は僕、“脳年齢を測る”ゲームで「78歳」って出たんですよ……。
             哈哈哈哈哈 
         大叔是說春馬像40歲般沉穩 結果春馬說他腦袋測試78歲  難怪椅子要讓春馬坐 噗

寺脇　僕は中身が17歳くらいだから、ますます不思議な感じがするよ（笑）。

●歌やダンスに加えて、今回は歴史ファンタジーということで、殺陣も？

岸谷　地球ゴージャスでは殺陣はしばしば出てくるから、春馬には前もってそのことを伝えました。

三浦　それで今、すでに殺陣の稽古に通ってるんです。まずはできることからやろうと思って。

岸谷　剣を持っての立ち回りって、すごく難しいよね。1つの様式美を備えた動きだし、ここぞという場面でバスッと決められるかどうかというと、なかなかできなかったり。これは踊りにも共通することだけどね。でもその筋からは「春馬はうまい」という情報がすでに入ってます（笑）

三浦　どうしよう……（笑）。でも本当にめちゃくちゃ楽しいんですよ。

寺脇　春馬はそう言い切っちゃえるのがすごいよね。初めは相手との距離感がうまくつかめなかったりするんだけど。他人との呼吸を合わせないと、殺陣というものはできないからね。

●じゃあこの3人で戦う場面も……？

岸谷　ありますね、はい（笑）。

寺脇・三浦　おぉー。

“戦いなんてむなしい”ということだけ伝われば

 ●今回、記念すべき10作目の公演ですが。

寺脇　実は、やっている僕たちの方は、そんなに気にしてなかったりするんです（笑）。舞台というのは公演を1作1作積み重ねることの方が大切だし、その時々で「1番いいものを」という思いで作り上げて、終わったらまたゼロに戻る繰り返しだと思うので。公演の内容も日ごろ、五朗ちゃんと飲んでいる中で出てくるものをまとめるだけで。

岸谷　今回は大きなテーマとして“反戦”を掲げているんですが、それも普段から感じていることなんです。逆にいうとね、「なんで今ごろ“反戦”なんていうテーマの舞台をやってるの？」と周りが思うような時代になってほしいという気持ちを込めているつもり。でもそのテーマって、大昔からずっと変わらずにあるでしょう。むしろ、ますます大きくなってきてる。だからそのテーマを伝えるのは僕ら大人の責任だし、役者ができることといったら、演劇を通して伝えることしかないんですよね。

 ●すると今回、若い三浦さんが加わることは、その面でも大きな意味があると。

 岸谷　すごく大きいですね。さっき春馬が感動したと言ってくれた『クラウディア』が、実は反戦をテーマにした作品の第1弾で、今回が第2弾なんです。

三浦　そうだったんですか。その時はまだ中学生だったから、難しいことは分からないけど、戦いは無意味だっていうことだけはすごく伝わってきました。

岸谷　それだけ伝わってくれればいいんだよ。だからこのテーマで作品を作る時は、観客に訴える力を持ったミュージシャンと組みたいと思って、『クラウディア』ではサザンオールスターズに依頼したし、今回はEXILEにお願いしているわけだし。

寺脇　音楽は国や世代を問わずストレートに心に届くもんね。製作発表でも地球ゴージャスの成り立ちについて話したけど、僕もやる以上はやっぱり何か人の役に立ちたいと思っているし、おおげさな言い方になっちゃうけど、自分の生きる意味にもつながっているのかなと思う。

●そういう意味でも、三浦さんの存在はますます大切になってきますね。

岸谷　『クラウディア』の時に春馬が受けたメッセージを、今度は春馬がお客様に伝える側になってほしいですね。

寺脇　俺らが春馬くらいの年齢のころって、何にもできなかったけどね。

岸谷　ヤンチャばかりしてたもんなー。

三浦　いえいえ。舞台でお2人に少しでも近づけるように……。頑張ります！